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スペシャルインタビュー#4
エネルギッシュな曲。楽しげなのに、心に響く歌詞。全国各地でハイテンションなライヴを繰り広げているSABOTENのメンバーは、会ってみると意外にクール!?かと思いきや。ちょっぴりシャイなだけで、やはり音楽への想いは強かったのだった。時に照れ臭そうに、時に瞳を輝かせて語られた、彼らの本音をご覧あれ。
インタビュー・文:大場 睦美
SABOTEN Profile
SABOTEN(サボテン)
メンバーはキヨシ(Vo.&Gt.)、ヤッソー(Ba.&Vo.)、サケ(Dr.&Cho.)のスリーピースバンド。1999年、大阪・門真で結成。
パワー溢れる曲と、素直な感情むき出しの歌詞で、聴いた人の心をキャッチ!そのエネルギッシュなライヴは、大阪を中心に全国各地で展開されており、年間を通して様々なお祭り騒ぎを巻き起こしている。
SABOTENオフィシャルサイト:http://www.sabotenrock.com/
どこでやるときも、出せる力を100パーセントでやる!
--みなさんは現在(取材日は7月28日)ツアー中ですが、これまでの手応えとしてはいかがですか?
サケ:「今の時点ではまだ始まって4本目なんですけど・・・。今回のツアーは自分たちで企画を出してるんですよ。対バンも自分たちが好きなバンドだったり、 一緒にやったら面白そうなバンドを誘ってるんで、手応えとしてはかなりイイ感じです」
--なるほど。年間のライヴの本数がかなり多いですが、1本1本どんな気持ちで臨んでいるんですか?
サケ:「会場によって思い入れがある場所もあるけど、ライヴやってるときは、そういうことは忘れてますね。どこも全力で頑張ってます」
ヤッソー:「その日その日でテンションの違いはありますけど、本番では切り替えて、最高の状態で挑んでます」
キヨシ:「どこでやるときも、出せる力100パーセントでやるっていう気持ちはありますね。まぁ、体調の変化はありますけど。体調の悪いときは、どうして もギターが手につかなくなっちゃったりするんですけど・・・それでもいつもどおりにやろうと気合いは入れます!」
--各地のライヴハウスをかなり細かく回っていますが、たくさんのライヴハウスを回るメリットは何かあります?
サケ:「細かく回ると、そのライヴハウスの近くに住んでる人たちが来やすいじゃないですか? なんで、そういう人たちと一緒に楽しくライヴできたらなぁって思ってて。メリットはそこですかね」
--じゃあ、ライヴありきのSABOTENって感じなんでしょうか?
キヨシ:「う〜ん・・・でも、僕はどっちでもよかったんです。ライヴ中心で全国を回ってるバンドでもいいし、普段から全国ツアーを展開してるわけやないけど、やるときはやる!っていう形でもよかったし。毎日のように全国のライヴハウスを回んのは、やっぱり大変なんですよ。だって、会社にたとえると、僕らがやってるのって営業じゃないですか?(笑)大変なんですよ。でもね、僕の人間性には合ってると思います。逆に、合ってるからこそ無意識に選んだんじゃないかな」
--では、ライヴ中にやってしまった大きな失敗などはありますか?
サケ:「何やろなぁ? 演奏をミスったりすることはありますけどね・・・」
キヨシ:「逆に言えば、失敗だらけですよ(苦笑)。弦も切れるし、アンプが上手く機能せんかったりってこともあるし。そういうアクシデントはしょっちゅうですね。でも僕らのやってる音楽シーンって、“弦が切れたから演奏を止める”なんてこと自体がNGなんですよ。なんで、SABOTENに限らずどのバンドでも、そんときにある物を使って最後までやりきると思います」
この3人で、好きなものを作れる喜び
--実に頼もしいですね! では、そんなみなさんが音楽に興味を持ったきっかけは何だったんですか?
サケ: 「僕の場合、友だちがバンドをやってたからですね。小さい頃は流行りの音楽を何となく聴いてたくらいで、“音楽が好きだった”って言えるかどうかも、微妙なところなんですけど。真剣に音楽をやりたいと思ったのは専門学校に入学してからで、それまではそこまで真剣でもなかったです」
--ヤッソーさんはいかがですか?
ヤッソー:「キヨシと公園で遊んでたときに、“バンドやってる”って聞いて。彼がギターを弾きながらTHE BLUE HEARTSを歌ったんですよ。友だちがそういうことやってんのって、衝撃じゃないですか。それがきっかけで“自分もやりたい!”って思って、熱中し始めましたね。それが確か、高校1年生のときでした」
キヨシ:「僕は高校生くらいのときは、誰にでもできるようなパンクを聴いてたんです。ギターも、3カ所コードを押さえたら弾けるような、簡単な曲だったんですけど。自分自身、そこまで音楽にのめり込んでたわけでもなかったんやけど・・・まぁ“スケボーやろうぜ!”みたいな、遊びの感覚というか。最初はそんなノリでやってただけなんですよね」
--では、バンドを始めたきっかけは?
キヨシ:「ノリですかね・・・? 今もそこまで“音楽が好き!!”ってわけやないし(笑)。ギターや歌にも、それほど深い興味はなくて。ただ、バンドを組んでみたら、バンドそのものに興味がわいたというか。だから今も続いてるんですけど」
--“音楽が好きだからバンドをやる”というよりも、“バンドが好きだから音楽をやる”という感覚なんでしょうか?
キヨシ:「そんな感じですね。ギターそのもの、歌うことそのものが好きっていうよりも、3人で好きなものを作れる喜びのほうが大きいんです。その喜びを味わえる手段が、音楽なんですよね」
--サケさんは?
サケ:「高校時代に文化祭に出るために、友だちに誘われたのがきっかけです。でも“ドラムやってくれ!”って言われてバンドに入ったんですけど、何せ初めてなんで、そんなに叩けなかったですけどね(笑)」
ヤッソー: 「僕はさっきも少し話したんですけど、高校のときにキヨシがバンドやってんのを見たのがきっかけですね。音楽に興味を持ったのと、バンドを始めたのが同時くらいです」
--なるほど。では、それぞれのパートをやることになったきっかけは何だったんですか?
ヤッソー:「僕、前のバンドではギターだったんですよ。ギターが弾けるヤツって、だいたいベースも弾けるじゃないですか? それで、次に入ったバンドにはたまたまベースがいなかったから、ベースになったという。とても単純な理由なんですけど(笑)」
--サケさんは、高校の文化祭がきっかけなんですよね?
サケ:「そうですね。“やれ”って言われて」
キヨシ:「“お前はドラムや!”ってな(笑)」
サケ:「うん(笑)。だから、自分からドラムを希望してたわけじゃないです。でもみんなで楽しくやることができれば、何でもよかったんで」
キヨシ:「僕はね、ライヴをやることを目標にしてやってたバンドでは、ドラムだったんですよ。練習パッドなんかも買って、“俺はずっとドラムやるんやろな”って思ってたし。でも今思えば、それも遊びだったなぁ・・・と。ライヴっていっても、結局文化祭くらいしか出てないですしね。それで、高校2年生くらいからベースを始めて、専門学校もベース専攻で入りました。でも、ベースにも執着心がわかなくて、専門学校も自分のやりたいこととは違うなって感じたんで、最終的には辞めちゃって・・・。1年くらい、バンドも組まずにプラプラしとったんですけど、やっぱりバンドの魅力を知っちゃってるせいか、改めて組みたくなって。そのときにたまたま良いベースとドラムが見つかったんで、僕はギターになったんです」
嘘っぽいのは×。歌詞に気持ちを込めるのは、大切なこと
--キヨシさんは、SABOTENで作詞・作曲もされていますよね。あの個性的な歌詞を書くときって、どんなことを考えているんですか? たとえば、アルバム『CLASSIC』に入ってる「便秘バップ」とか(笑)。
キヨシ:「あぁ、あれですか(笑)。あれは、便秘のことについて歌詞を書いて、それが全国に発売されるわけじゃないですか。それって、すごく面白いですよね!? それですよ(笑)。歌詞は書きますけど、タイトルはサケが付けたのもあります」
--日本語にこだわりを持っているように感じるのですが、英語で歌詞を書こうと思ったことはあるんですか?
キヨシ: 「思ったことはあるんですけど、一瞬で挫折しましたね(笑)。僕の場合、特に日本語にこだわって書いてるわけでもないんですよ。たとえばメンバーの中に英語ができる人がいて、その人がボーカルをやるっていうなら任せるし。ただ、それが自分には無理だって思っただけなんで。それに、思ってもいないことを英語で、気持ちを込めないで歌っても・・・嘘っぽいというか。もしも無理して英語で歌詞を書いて歌ってたら、今まで音楽を続けることはできんかったと思います。意識してやってるわけではないですけど、歌詞に気持ちを込めるのは大切なことですからね」
まぁ、何とかなるやろ!”って、変に前向きでした(笑)
--では、中学・高校の進路を考える時期の心境はいかがでした?
サケ:「中学のときは、バスケットの選手になろうと思ってました。高校のときは、世界一周しようって思ってて。だから大学の国際学科に入ったんですけど、自分には合わなかったんですよね。その頃はドラムを本格的にやりたいって気持ちもあったんで、大学辞めて専門学校へ行ったんですけど。僕、思いついたらすぐ決断しちゃうタイプなんです。だから、進路を決めてから親に言い出すのには勇気がいりましたけど、そこまで深く悩んだりってことはなかったかな」
ヤッソー: 「僕は将来に関しては、考えてなかったです。“何とかなるかな〜”みたいな(苦笑)。でも高校のときにバンドを始めたんで、音楽はそのまま続けたいと思ってて。だから、就職活動とかは一切やった覚えがないです。卒業後は、バイトをしながらバンドをやってましたね。たまに“これでいいんかな?”って考えることもあったんですけど、当時の僕は若かったので“まぁ、何とかなるやろ!”って、変に前向きでした(笑)。それに、“バンドをやるためだったら働ける”って感覚もありましたね」
--キヨシさんは?
キヨシ: 「中学のときは何も考えてなかったですね。ただ地元の高校に入っただけやし。音楽って、仕事っぽくないじゃないですか?僕、仕事をしたくなかったんですよね(苦笑)。世間でいう“サラリーマン”っちゅうもんにはなりたくなかったんで、高校卒業の時期には“このままバンドで食ってけたらラッキーだな”って思ってました。どっちにしても、あまり深く考えてなかったですね・・・(苦笑)」
--今までのバンド活動の中で、苦労したことはありますか?
サケ: 「そんなにないかなぁ。たとえば、大学辞めて専門学校に行ったときも、そんなに苦労した覚えはないし。僕の両親は、とても理解のある人なんですよね。悪い言い方をすれば、僕に甘かったんですけど(笑)。決意を口にするときは緊張しましたけど、反対されることはないやろうって思ってたんで。僕、岐阜の出身なんですけど、地方の人にとっては“音楽の専門学校へ行く”なんてことは、想像もつかないわけですよ。なので、やっぱり驚いてはいましたけどね〜」
--ヤッソーさんはいかがですか?
ヤッソー:「僕はインフルエンザにかかって、そのままライヴやったことがありますね。確か12月30日・31日の、年末のライヴだったんですけど。あんときは死ぬかと思いました(苦笑)。セッティング中からずっとフラフラで。熱を計らなかったんで、どのくらいあったのかはわからないんですけど、信じられないくらいに頭が痛くて。ライヴが始まったときには今まで味わったことのない、羽根がいっぱい刺さったような感じの鳥肌が立ちました(笑)。でも、ライヴをやったことによって、少し元気になったというか」
キヨシ:「それは多分、汗かいて熱が下がっただけやろ(笑)。苦労話・・・僕も特に思いつかないんですよね。骨折したままライヴやったとか、そういうことはありますけど。でもそれって、痛いだけで苦労じゃないですよね?(笑)」
--いやいや、充分苦労だと思います! その痛みというのは、我慢できてしまうんですか?
キヨシ:「僕の場合、痛みから逃げるんですよ。こう、痛くない角度を探してね(笑)。少し前までは裸足でステージに立ってたんですけど、右足の骨が外れるようになってからは、ちゃんと靴履いてますし(笑)」
--では逆に、バンドをやっていて楽しかったことや、嬉しかったことはありますか?
キヨシ:「そっちのほうが多いと思いますよ。めっちゃ単純なことなんですけど、CDが店に並んだときは嬉しかったですし」
サケ:「けっこう毎日、面白いことがあるから。これって幸せなことですよね」
バンドへの気持ちや、根っこの部分は変わらない
--ところで、現在はインディーズでの活動に戻ったわけですが、メジャーも経験されたSABOTENから見た、インディーズとメジャーの違いについて教えて下さい。
キヨシ:「一緒にやってる人間を全て把握できているか、できていないかの違いですね。メジャーに行けば、何百人という人たちが僕らに関わってくれるんですよ! 甘えてるつもりはなかったけど、今思えば、こういう環境に“守られてる安心感”はあったなぁ・・・と。でも、せっかく関わってくれてるのに、僕らはその中の 2〜3人くらいしか知らなくて・・・。インディーズの場合は、少人数のスタッフで、その全ての人たちを僕らも把握できるんで、一人ひとりどういう人かも知ってる。少人数だからこそ、自分らでやらないといけないことも多い分、みんなのチームワークが良くなりますね。僕らには、こっちのやり方が向いてるんかなと思います」
サケ: 「やっぱり、連携がとれるかとれないかって大事なんですよね、僕らの場合。まぁ、まだインディーズに戻して間もないんで、探り探りな感じなんですけど・・・」
--昨年12月にリリースされた「シナリオ」は、アニメ『NARUTO』のエンディングテーマに楽曲が使用されましたが、そのときの心境はいかがでしたか?
サケ: 「漫画も読んでたんで、嬉しかったですね。ただ、オンエアの確認はできてないんですよね(苦笑)」
キヨシ: 「1回だけ確認しました。家族と観てて、“おっ、出てる出てる!”って。でも1回目はすごくテンションが上がるんですけど、すぐ飽きちゃいましたね(笑)。テンションが一瞬で最高潮にまで達して、その後はすぐ下がってしまうというか・・・。なんで、じわじわと何かにのめり込むタイプではないんですよね。たとえば、今ここで“趣味ができた”って話をしたとしますよね。多分、次に会ったときには、その趣味をやってないと思います。そんくらい飽きっぽいんです(笑)」
--(笑)。ヤッソーさんは?
ヤッソー: 「僕も1回だけ、母と一緒に観ました。めちゃくちゃ喜んでくれてましたね。僕は母が見てる前なんで、普通にしてました(笑)」
--では、お好きなアーティストや尊敬しているアーティストはいますか?
キヨシ: 「尾崎豊は、他のアーティストとは違う感覚で好きですね。THE BLUE HEARTSやHi-STANDARDも好きです。学生時代はメロコアがブームだったので、そのあたりもよく聴いてました。あと、海外のアーティストも、音がデカくて、映像観るとテンションが高くて好きですね。まぁ、好きなアーティストはいるんですけど、尊敬してるほどのアーティストはいないですね。だから、多分自分でやってるんやと思うし」
サケ: 「僕も高校時代に、グリーン・デイとかHi-STANDARDを聴き始めましたね。そこから先は、新しいバンドを好きになってないかも・・・」
ヤッソー: 「僕もみんなと似たような感じで、THE BLUE HEARTSは聴いてましたね。メロコアも聴いてました」
--そのようなアーティストに、何か影響を受けたことはあります?
キヨシ:「いろんな人に少しずつ影響を受けてるとは思うんですけど、あまり染められてはいないですね。だから、当時は英語の歌詞が流行ってたけど、日本語で歌ってたし。でも日本語で歌ってるんだけど、当時の流行りのテンポなんかは、そのまま使ってたし。いろんなとこから少しずつ影響を受けて、自分たちの音楽に還元してたんだと思います。そうやってバンドをやってたら、たまたま僕らを気に入ってくれたレーベルがあったっていう。そのまま誰も声をかけてくれなかったら、バンドを辞めてたかもしれないですからね」
常に目が離せない存在でありたい
--では、今後バンドとしての目標はありますか?
サケ: 「たとえば流行のきっかけとか、全てが僕らから発信されればいいなぁって思ってます」
キヨシ:「今のバンドシーンって、ぼやけてるんですよね。バンドブームも去ったと思うし、魅力あるバンドが本当に少ない。本来なら誰かが先頭に立って盛り上げていくべきなのに、そういう人たちがいなくて。だったら、僕らがやれたらいいなって気持ちはあります」
--個人としては、どんなアーティストになっていきたいですか?
キヨシ: 「僕の場合、そこまでギターにも歌にも興味はないんですけど・・・。でも、バンドをより良くする手段として、超人的な感じでありたいですね。他の人が絶対に押さえないコードでギター弾いたりとか。そういう方法は、見つけていこうかなって思ってます」
サケ: 「常に目が離せない存在でありたい。何が起こるかわからない、何をやるかわからないような。そして、周囲のそういった期待には確実に応えたいですね」
ヤッソー: 「僕は、バンドの基盤としてみんなをしっかり支えられるような、良いベーシストになりたいですね。コーラスもやってるんで、“めっちゃベース弾いとんのに、めっちゃ歌っとる”っていうような・・・そんなベーシストが自分の理想です。どっちもしっかりやりたいんで!」
音楽が好きだったら、辛いことも耐えられる・・・!
--最後になりますが、音楽業界を目指している、興味のある高校生に何かメッセージをお願いします。
キヨシ: 「よく考えたほうがいいと思います。多分、軽い気持ちじゃ本当にキツいですから。失敗しても後悔しないくらいに、しっかりと心を決めた人がやるべきだと思います。普通の職業に就くよりも、体力的にも金銭的にも大変な時代があると思いますし。でも、音楽が好きだったらそこも耐えられると思うので、まずはしっかりと考えてみてください」
サケ: 「社会全体から見れば、“音楽業界で働こう”って人は少ないと思うんで、きっとチャンスはあるはずですよ!」
ヤッソー: 「とにかく“頑張ってください!”の一言に尽きます!」
--今日はありがとうございました。
一同: 「ありがとうございました」

















